米朝会談終わった後が商機 タイ・台湾の旅行業者、期待
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米朝会談終わった後が商機 タイ・台湾の旅行業者、期待
【バンコク西脇真一、台北・福岡静哉】史上初となるシンガポールでの米朝首脳会談を12日に控え、北朝鮮と国交のあるタイや経済的なつながりの深い台湾のビジネス関係者らからは既に、「会談後」の展開に期待する声が出ている。トランプ米大統領が対北朝鮮制裁は維持するとしつつ、「最大限の圧力」と言うのをやめるなど、融和的な姿勢を示しているためだ。
タイには北朝鮮ツアーを行っている旅行社が複数ある。現地の気候がよい4~10月ごろに1週間前後の日程で、15人ほどのツアー参加者を募集している。
このうち、バンコクの「メリーランド・トラベルサービス」社は約30年前から北朝鮮ツアーを取り扱う老舗。同社のシリピン・サーシャンさん(52)は北朝鮮の変化には懐疑的ながらも、「世界的なホットニュースなので、北朝鮮がどんなところか知りたいと思う人が増えるかも」と関心の高まりを見込んだ。
また、別の旅行社の幹部も「会談後、北朝鮮がもっと開かれた国になることを願う。金正恩(キム・ジョンウン)氏(朝鮮労働党委員長)次第ですね」と話す。
タイは国連安全保障理事会決議による対北朝鮮制裁に同調。2016年4月の両国間の貿易総額は261万ドル(約2億8600万円)だったが、今年4月はタイから1万ドルの輸出のみと激減した。
一方、北朝鮮の外貨稼ぎ先の一つである「北朝鮮レストラン」は、東南アジア各国で閉鎖に追い込まれる店が出るなかで、バンコクとその周辺にある計4軒は今も健在だ。
また5月には北朝鮮の外務次官らがバンコクを訪問。タイ外務省によると、米朝首脳会談の準備状況や今後の外交関係について意見交換したという。
国連未加盟の台湾も昨年9月から北朝鮮との貿易を禁止し、北朝鮮旅行の自粛を呼びかけてきた。台北市の旅行社担当者は「会談がどうなるか分からず、予断を持たず推移を見たい」と言いつつも、北朝鮮とは歴史的にビジネスのつながりが強いだけに「会談が実現すれば、観光客の増加などプラスの影響が出る可能性はある」と先を見据えていた。<毎日新聞社>
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