歓楽街に乱立する大麻ショップ。関連法の行方は?
「タイに大麻ショップがあふれかえっておる!」
こんにちはまっちゃんです。
4年ぶりにタイを訪れましたが「ああ、この雰囲気以前と変わらないねえ」というのが正直な印象でした。
が、しかし1つだけ明確に大きく違っていることがありました。
大麻ショップ大杉やろ!
タイで大麻が一部合法化されたのは耳にしていましたが久方ぶりにタイを訪れてみると大麻店の多さに驚きを隠せませんでした。前回訪問時の2019年は見かけなかった・・よね?
大麻合法化のワケとは
バンコクの宿泊ホテルの隣にある大麻ショップ
タイではもともと日本と同様に大麻は違法薬物として禁止されていました(麻薬法第5類麻薬に分類)。
ところが2022年6月に「医療用」に限定し規制を緩和。違法薬物の分類から外れたことによりタイで栽培された大麻については許可を必要とせず所持・販売・使用ができるようになりました。
何故医療用とはいえ緩和されたのか。その理由は近年の研究で大麻に含まれる成分(CBD)にてんかんを始めとした様々な病症への改善効果が期待されることが分かってきたからです。
ともかく件の規制緩和以降加速度的に店舗の数は増え2023年1月時点で届出ベースで約8,000ということなので2023年末時点では軽く1万を突破しているでしょう。
ちなみに先ほども言ったように「医療用」に限定しての緩和なはずなのですが、一般的にはタバコのような嗜好品として店頭に並んでいます。
完全に黒よりのグレーですが取り締まりは無いに等しく、店舗は増える一方とのことです。
タイは観光立国。今回の規制緩和でコロナで打撃を受けた観光業を回復させようといった狙いも正直なところあるでしょうね。
ちなみに元来タイ(もとい東南アジア諸国)は麻薬類にはとても厳しい国です。
麻薬関連の所持や仕様・密輸に関して違反した場合は「死刑」もあり得ます。
タイ政府は、麻薬・薬物犯罪を厳しく取締まっており、麻薬・違法薬物の所持はもとより、持込み、持出しは厳禁であり、これに違反した場合には厳罰が科されます。最高刑は死刑です。
パタヤの大麻ショップ「Meet Weed」に潜入
パタヤの大麻ショップ「Meet Weed」
はてさて、では大麻ショップには実際のところ何が売ってるんでしょう。
もちろん大麻の葉自体やそれを吸うための道具が売っているんでしょうが、これはこの目で確かめないといけません。
ということでパタヤのセントラルパタヤロードにあるお店「Meet Weed」に入ってみることに。
外観、内観共にいかがわしさはなくこじゃれた雑貨屋という印象です。そう、タイの大麻店はどこもおしゃれでポップ。ファッションの一部として始められる手軽さが急拡大に拍車をかけている要因でしょう。
↓こちらは手巻き用のタバコ紙。タバコと同じように紙にくるんで紙タバコとして嗜むこともできます。これが一番経済的だとか。
↓こちらはいわゆる吸引用のパイプですね。むむ、どこかでみたことあるような。。このフォースを感じていそうな生き物と、クマさん。。。 2重の意味で大丈夫か!?
↓肝心の大麻の葉っぱ本体ですが、グラム単位での取引でお店では300B~1000Bが相場のようです。
フルーティーなベリーの香りが特徴の「ブルードリーム」やスパイシーでハーフ感の強い「OG クッシュ」など様々な商品ラインナップがあり、
それぞれフレーバーや吸引時の陶酔感や余韻が異なるとのことです。
安いものだと240B(日本円にして1000円程度)のものもあり、思ったより価格的なハードルは低いなという印象です。
マスター「日本人?試してみる?」
「いや、遠慮しておきます。。。」
とはいえ何もしないで帰るのなーということで、ケースの中の大麻の匂いだけ嗅がせてもらいました。
なんというかツーンとした甘ったるい感じ・・?あまり好きな匂いではなかったです。
「Meet Weed」を後にし、ビーチロード沿いを散策しましたが、大麻ショップがあるわあるわ。。 感覚的には「マッサージ店/マッサージ店/大麻/マッサージ店/マッサージ店/大麻/セブンイレブン」という感じ。 敷地面積が狭くても開業でき、スタッフ1名でも回せるから人件費的にもコスパがいいんでしょうね。
「つまり簡単に儲かると。。増えるわけだ」
通り過ぎるときにチラっとみると中で客がプカプカしてるお店も多いです。そんなお店はもう外まで 匂いが漏れています。そう、さっき嗅いだあの甘ったるい匂いが。
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もちろんパタヤ名物ウォーキングストリートにもたくさんの大麻ショップがありました。
話を聞くと基本的にはショップ内での使用が原則で、一般的なレストランやバー内での使用はご法度のようです。
そりゃそうだ。副流煙でキマったらたまったもんじゃないですね。
BIG Cにまさかの大麻ドリンクが
セントラルマリーナのBIG Cのトイレに入ろうとしたところ、とある自動販売機が目に入りました。
ガーフェーガンチャー20バーツ(迫真)
ガーフェーはコーヒー、ガンチャーはタイ語で大麻のことです。そのまま大麻コーヒー。
どうやらコーヒーに大麻の成分が入っているようですね。
こんなにカジュアルに大麻をプッシュしてくるなんて。。この国はどこに向かっているんだ笑
大麻関連法案の規制強化の流れ
歓楽街が大麻パラダイスと化したタイですが、健康被害や中毒者の増加などからさすがに昨今の現状を無視できなくなってきています。
規制強化を望む声を受けタイの保健相チョンラナーン・シーゲーオ氏大麻の娯楽使用禁止法案の国会提出を示唆。
成立すれば「大麻の使用は健康・医療目的に限定される」そうです。
ん?冒頭でも触れたように指定薬物から除外されたもののあくまで大麻は「医療目的」にのみ認可されているものでしたが
より厳しく「娯楽目的」での使用を制限する、すなわち制限に関するガイドラインが明文化するということでしょうか。
■娯楽目的の根絶は困難
ただ、娯楽を目的とする販売の根絶はほぼ不可能に近いのが実情だ。大麻市場では、医療目的よりも娯楽目的で購入する消費者が圧倒的に多い。新法が成立したとしても、ブラックマーケットが形成され、取り締まる側と取り締まられる側とのいたちごっこが始まるのは時間の問題だ。
業界関係者の間では、タイ政府がメンツを守るための折衷案として、販売店からクリニックへの表向きのくら替えを条件に、クリニック内での娯楽目的の大麻販売に目をつぶる可能性も指摘されている。あるいは観光地などでは、特定の販売店に外国人旅行者への販売のみを認める可能性もあるという。
まあ、そうでしょうね。個人的に大麻の根絶を望んでいるわけではありませんが医療目的での解禁のはずが健康被害・薬害につながってしまうとは本末転倒としか言いようがないですよね。
今後このような大麻関係の法整備の行方が気になります。
次タイに行けたらまたそのあたりをこの目で確認したいと思います。